いる筈だった。また、僕がフランスに来てからも、その以前からいる幾名かとともに、十数名の無政府主義者がそこにはいっていた。

 煙草とマッチとはやはりまた持ってはいらした。そして日本だと、星形の建物のまん中のいわゆる六道の辻から布団をかつがして行くのだが、ここではいずれも薄ぎたない寝まきのシャツらしいのと手拭らしいのとを持たして行く。
 僕は監獄のひやかしのような気になって、広い廊下の右や左をうろうろ眺めながら、看守をあとにして歩いて行った。
 僕の室は第十監第二十房という地並みの大きな独房だった。二間四方だから、ちょうど、八畳敷だ。それに窓が大きくて明るい。下の幅が五尺ぐらいで、それが三尺ぐらい上までそのままで進んで、その上がさらに二尺ぐらい半円形に高くなっている。
 こんな大きな窓は、僕が今まで見たあちこちのホテルでも、一流の家のほかは滅多になかった。もっとも、惜しいことには、それがようやく目の高さぐらいの上の方から始まってはいたが。
 その後運動の時に知ったんだが、こんな窓は地並みの室だけで、二階三階四階の室々のはその半分より少し大きなくらいだった。
 窓からはすぐそばに高い塀が見
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