男女関係について
女房に与えて彼女に対する一情婦の心情を語る文
大杉栄

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)J'avoue《ジャヴウ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)進みかたのえらさ[#「えらさ」に傍点]に

〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)時には、〔J'avoue《ジャヴウ》 … lui《リュイ》〕(私ね、
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
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         一

 野枝さん。
『女の世界』編集長安成二郎君から、保子に対する僕の心持を書いてくれないか、という注文があったので、ちょうど今このことについて君と僕との間に話の最中でもあり、それに君に話しかけるのが僕には一番自由でもあるので、君に宛ててこの手紙を書くことにする。世間の奴等には、堪らないおのろけとも聞えることを書くようになるかも知れないが、堪ろうと堪るまいと、それは僕等の知ったことじゃない。
 野枝さん。
 君も、ずいぶんわからずやの、意地
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