てくれませんか。」
 少々赤く酔を出している後藤は、馬鹿にお世辞がよかった。
「え、その話もしましょう。が、今日は僕の方で別に話を持って来ているのです。そしてその方が僕には急なのだから、今日はまずその話だけにしましょう。」
「そうですか。するとそのお話というのは?」
「実は金が少々欲しいんです。で、それを、もし戴ければ戴きたいと思って来たのです。」
「ああ金のことですか。そんなことならどうにでもなりますよ。それよりも一つ、さっきのお話を聞こうじゃありませんか。」
「いや、僕の方は今日はこの金の方が重大問題なんです。どうでしょう。僕今非常に生活に困っているんです。少々の無心を聞いて貰えるでしょうか。」
「あなたは実にいい頭を持ってそしていい腕を持っているという話ですがね。どうしてそんなに困るんです。」
「政府が僕等の職業を邪魔するからです。」
「が、特に私のところへ無心に来た訳は。」
「政府が僕等を困らせるんだから、政府へ無心に来るのは当然だと思ったのです。そしてあなたならそんな話は分ろうと思って来たんです。」
「そうですか、分りました。で、いくら欲しいんです。」
「今急のところ三、四百
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