自分の優越感から何の嫉妬をも感じていなかった。むしろ一種の興味をもってすら見ていた。
その晩は僕は麻布の彼女の家に泊った。そして翌日、保子のいる逗子の家に帰った。するとたぶんその翌日の朝だ、僕は彼女から本当に三行半と言ってもいい短かい絶縁状を受取った。それは「もし本当に私を思っていてくれるのなら、今後もうお互いに顔を合せないようにしてくれ。では、永遠にさよなら」というような意味の、あまりに突然のものだった。僕はすぐ東京へ出た。そして彼女をその家に訪うた。が、彼女は僕の顔を見るや、泣いてただ、「帰れ帰れ」と叫ぶのみで、話のしようもなかった。そして僕は何かをほうりつけられて、その家を逐い出された。
僕はすぐ宮島の家へ行った。宮島の細君は彼女にとってのほとんど唯一の同性の友達だった。
「ゆうべはひどい目に会ったよ。神近君が酔っぱらって気違いのようにあばれ出してね。そして君のことを『だました! だました!』と言って罵るんだ。ようやくそれを落ちつけさして、家まで連れて行って、寝かしつけて来たがね。実際弱っちゃったよ。」
宮島は、僕が彼女の話をすると、本当に弱ったような顔をして話した。
そ
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