はいない。」
というのが僕の友人観兼恋愛観だった。僕は友人と恋人との間に大した区別を設けたくなかった。
が、理窟はまあどうでもいいとして、とにかく彼女は、僕の心の中での彼女と伊藤との優劣を認めたのだ。と同時にまた、その尊敬や親愛の対象となるものの、質の違っていることも認めたのだ。そして彼女は、この優越を蔽うために、年齢の上からの自分の優越を考え出したのだ。しかし反対にまた、彼女より年の多い保子に対しては、彼女は自分の知力の優越を考えていた。そしてやはりこの優越感の上から、保子に対してまでも姉さんぶった心の態度を持っていた。この姉さんぶるという態度には、彼女の性格の一種の仁侠もあるのであるが、しかし彼女がその競争者に対してどうしても持ちたい優越感がそれを非常に助けていたのだ。
実際彼女はこの優越ということをよく口にしていた。そして彼女があらゆる点において優越を感じていた保子に対しては、ただ憐憫があるばかりで、ほとんど何の嫉妬もなかった。それからもう一人、これは今ちょっとその人の名を言えないが、やはり女文士でかりにFというのがあった。そのFと僕とのごく淡い関係についても、彼女はやはり
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