っかりした。幼年学校で二年半やって、さらにその後もつい数カ月前までフランス語学校の夜学で勉強しつづけて、もう自分で分らんなりにも何かの本を読んでいたフランス語も、またアベセの最初から始めるのだ。
 もっとも一カ月ばかりしてから、仏人教師のジャクレエの心配で、卒業の時には本科卒業として出すという約束で全科目選集の選科生として、二年へ進級したが、その二年ももとより大したことではなかった。そしてこの二年へ行って気がついたのだが、先生のまるきり無茶なのに驚かされた。フランスに十年とか十五年とかいたという先生が、二年生のできのいいものよりももっとできないんだ。そして本いっぱいに鉛筆で何か書きつけて来て、それを拾いよみしながら講義して、それ以外のことにはほとんど何一つ生徒の質問に答えることができないんだ。そしてできる二人ばかりの先生は、怠けものでずいぶんよく休みもし、また出て来てもほんのお義理にいい加減に教えていた。そしてその大勢の先生の教えるものの間に、ほとんど何の連絡もないんだ。
 ただ一人、ジャクレエ先生だけが、実に熱心に、一人で何もかも毎日二時間ずつ教えた。僕はこの先生の時間だけ出ればそれ
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