んぼりと腰をかけているので、実にびっくりした。
「隅田は大変肺を悪くしましてね、熊本の憲兵隊長をしていたのをよして、今はこちらに来ているんです。そして寝たっきりでいるんですが、あなたが前に肺が大変悪かったのに今はお丈夫だということを聞きましてね、ぜひあなたにお会いして、あなたの肺のお話を聞きたいって言うんですの。お医者もいろんなことを言ってちっとも分りませんし、隅田ももう長い間の病気ですっかり弱りこんでいるんです。」
礼ちゃんが、いろいろと詳しく話しているうちに、もうフランス語の時間が来て、生徒も二、三人やって来た。
「え、それじゃ明日お宅へ参ります。」
と言って、僕は礼ちゃんを入口まで送り出した。
翌日行って見ると、隅田の病気は話で聞いたよりもよほど悪いように見えた。今まで僕が見た、肺で死んだ幾人かの人の、もう末期に幾ばくもない時のような、いろんな徴候を持っていた。僕はこれやもう一月とは持つまいと思った。それでも、僕が悪かった時の容体やそれに対する手当などをいろいろと聞かれるので、僕も詳しくいろんな話をして、何大丈夫ですよなぞと慰めた。が、話しているうちにだんだん咳がひどくなる
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