っと忘れたが何とかいう弁護士。和歌山附近では山田、楠井、津村。および春と菊。なお山田(東京)には米川へ、茂生には浅草の何とかいう家へ、猪へは他の名古屋附近の親類へ、それぞれよろしくと添えてくれ。
 また、いろいろ世話になった人達へは、僕からよろしくと言って礼状を出してくれ。
 なお、伸に、仙台や新発田で父がごく親しくしていた人達に大体のことを書いて安心するようにと言ってやるよう、伝えてくれ。
 郵便の本は着いたか。差入れのものは来た。来月は早く面会に来い。
 ドイツ文の本を何か頼む。ストリー・オブ・ゼ・ヒューマン・マシン(機械的心理学)、『帝国文学』の合本、『現代評論』の合本を差入れ願う。
 この手紙にも書いた僕の出獄後のことは、いろいろうるさいから誰にも話しせずに、足下一人でその無形的の準備をして置いてくれ。僕の準備としては、フランスへ少し本を注文したいが、五十円ばかり都合できないか。
   *
 堀保子宛・明治四十三年二月二十四日
 僕等の室の窓の南向きなこと、およびそれがために毎日二時間ばかり日向ぼっこができることなどは、いつか話したように思う。
 こうして日向ぼっこをしながら仕
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