は雑誌の発刊についてというので臨時発信の許可を得た。よってこの返信を書く。
『家庭雑誌』の再興も面白かろう。僕も賛成する。そこで大体の方針に関する僕の意見を述べて見よう。
まず第一に改題するがいい。いつかも議論のあったように『新婦人』などはどうかと思う。そしてその内容も、兄などの言うがごとくに、ただ没主義な卑俗なものにしてしまうよりは、やはりその名の実をとって新婦人主義《フェミニズム》を標榜して貰いたい。もっともこれも程度の問題だろうが、最初の『家庭雑誌』くらいのところかあるいはもう少し進んだくらいのところなら、別に差支えもなかろうじゃないか。そして従来の多少の革命的の部分を科学的に代えるのだね。まず売捌きの点から考えてもこの方が都合よかろう。今さらとても他のいわゆる婦人雑誌と競争のできるものでもなし、読者はやはり昔からのお馴染のほかに、主として同志の中に求めねばなるまい。
同志と言っても口でこそ大きなことも言え、その実際生活においてはみなこの『新婦人』以下のところに蠢いているのだ。それに今は、仲間の雑誌が何もないことと思う。したがって同志はよほど読物に餓えているに違いない。またこ
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