んな際に雑誌を出すものの義務は、多少なりとも同志間の連絡あるいは広告の機関に供するにあると思う。何だか事がむずかしくなるようだけれど、ちょっとした個人消息を載せるだけでもどれほどその助けになるか知れない。
 編集人は兄の方で適当の人があるかも知れんが、こんな意味からもやはり守田に頼むのがよかろう。ちょうど婦人運動をやりたがってもいるのだし、自分のもののようにして骨折ってくれるに違いない。そして幽月などの新婦人連に大いに助力して貰うのだね。また、秋水にもこんどは是非毎号筆を執って貰いたい。科学の話などはお得意のものだろう。
 なお、いろいろ言いたいこともあるが、社会の事情もよくわからんし、また他に相談相手もあることだから、こんなところで止めて置こう。そしてこの上の細かい点については会って打合せすることにしよう。この手紙の着次第、さっそく来て貰いたい。
 若宮に本を借りることのできないのは非常に失望した。こんどは山田に相談して見てくれないか。少し専門が違うようだから「順序と組織を立てて」というようには行くまいが、多少あんな類のものを持っていよう。また、他の種類のものでもいい。ともかく、毎月
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