と思ってまた笑った。
「それでもあたしが外国へ行きます前に、母と約束をしたことがあるのです。母はお前が帰って来てから自分の薦める人と結婚をするなら、お前の外国行きを許可しても良いと云われ、それは必ず実行すると返事をして出て行ったあたくしでした。母は今もそれを忘れず、時を見てはあたくしにその人を薦めてやみません。あたくしは別にその人と結婚する意志など、今のところ少しもありませんが、しかし、母との約束を思いますと、それもやむを得ないことかもしれないと思い、つまらぬことも悩みのたねになるこのごろです。でも、外国にいたときあの幸福だっだ日のこと思い出しますと、こんな苦痛もやはり忍耐すべきかも知れないとも思ったりして、今さら、自分の我がままが身に還って来た辛さに沈みます。それに帰ってからのあなたのことなど考えたりいたしますと、あなたのお考えやお苦しみの御様子なども御無理もないことに見えまして、一層どうして良いのか分らなくなってしまい、ときどきあたくしもやはりあなたの仰言いましたように、天罰を受けた人間になったのかもしれないと、本当に考え込んだりして、お祈りも苦しく切なくなるばかりです。それでも、
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