、よく外国の戴冠式に法王から冠をかむせられて拝跪している国王のような服装を、鎧の上から引っかけ、戦場に臨んだ。そんな風にすべて宗麟はカソリックの礼式を用いたという史書を読むに及んで、矢代は、その宗麟に滅ぼされた自分の先祖に多少のむくれもまた感じた。そういうときには、それにつれまた千鶴子の身の上にも及ぶとともに、彼女の家の家系や、それと似た他の日本の知識階級の家家は、先祖の中に、カソリックに負けた悲しさ、苦しさを知らぬ家系が多いからだというようにも思うこのごろである。
 しかし、こんなに思っても、それならカソリックを悪いと思っている自分ではないと、矢代は思った。ただ自分の家に限っては、二人の結婚に邪魔になる危惧がある。その危惧を取り払う努力をするには、何か適当な他の力を藉りねばいられぬときが来そうな気持ちがした。そうして、その他の力とは、いったいどこからそれを探し出せば良いのだろう。実際、矢代はそんな千鶴子のカソリックを赦し、むしろそれを援ける平和な寛大な背後の力を欲しかった。しかし、それには仏教でも駄目だと思った。また神道でもなお悪かった。そうしてみると、日本の中にあるものでは、古神道
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