は広くたって三人か四人でしょう。それなら、親切にしたり喧嘩をしたりすることは当然なことで、檻の中の友人のようなものだから、これらのものがそれぞれ日本へ帰って自由な身になったら、島流しになっていたときと同じ心でいるわけはないと思うのです。それも無理に島流しにあっているこんなときを、大切にしているならともかく、それだって、帰れば周囲のものがそのままにさせておくものじゃないんですからね。ですから、それを僕は考えると、もっとあなたを自由にさせておかないと、いつかあなたが僕を恨むようなときが必ず来るんじゃないかと、実はまア、あなたの困るときばかりを想像して、不吉なお話もしたわけです。」
 矢代のこんなことを云う途中に、もう千鶴子の顔は解け流れて来るようににこにことして聞いて来た。
「そんなこと――まア、あなたは何んて用心ぶかい方なんでしょう。あたし、本当に感心してしまったわ。でも、恐ろしい方だわあなたは。」
 初めてあなたを知ったという風に千鶴子は暫くまた黙って考えていてから、
「あたし、とてもあなたのように考えられないわ。あたし、間違っていたと思えないんだけれど、でも、あなたがそんなに思ってら
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