着さで、煙草を吹かせひとりべらべら饒舌りまくっている間も、男らは神妙な恰好で女の云うことを傾聴していた。数組のテーブルの中にはこれとは別な中国人もあって、それぞれフランス人の美人を一人ずつ連れていた。これらの者はもう東洋人は卒業だという顔つきで、一種特別なみいらに似た物静かな構えだった。
久慈はこのようなみいらが団結した模倣力で、それぞれ本国の東洋に渦巻き起す風波の結果を考えると、抗日意識の高まりが戦争を惹き起してゆくことなど当然だと思った。これは行くところまで行かなければ恐らくやむまい。ここに日華の共通した精神の連結作用が、どちらも西洋の模倣という一点に頼る以外方法はないものであろうか。何か東洋独自の精神の結合に似た一線はないのであろうか。
久慈は中国人のいる大部屋の方を眺めながら、いつの間にかまた矢代の日ごろの考えの中に入り込んでいる自分を発見して、いや、おれのはまた矢代とは別だ、共同の一線を発見することだと強いて心中思おうとするのだった。
約束の時間がすぎて間もなく矢代は二階へ上って来た。彼は久慈の傍に思いがけない沖や三島のいるのを見つけると、故郷の見えたようにひどく喜んで
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