は肥満し他の方は小柄の大小二人、僧属に共通の眼の鋭い客である。それも揃って禅行の姿勢を崩さず、黙然として暫く矢代を瞶め笑顔一つをするでもなかった。寺の主婦は二人の客を先代の友人だと紹介したが、それでも黙り通している窮屈さに、ひとり気をかねて砕けた主婦と対して、矢代は車中や東京の話をするのみだった。卓上には饂飩の小鍋を中に銚子が一二本乗っていて、彼の猪口が一つ加えられたところから察しても、今日のささやかな御馳走の後だと分った。
「皆さんときどきお参りに帰って下さるんですよ。去年も朝鮮から来て下さいました。」
と主婦は、彼の親戚たちの帰郷のおりおりの様子を矢代に報らせた。故郷を散り出ていった矢代一族の帰る家は、今はこの見知らぬ人の棲む菩提寺だけになったのかと、矢代は一族の宿命にひそむ旅人の性格に、鞭うたれる痛みも感じ首垂れるものが加わった。連る僧たちの気詰りな沈黙も、遂に彼を打つ鞭の音に鳴り代って静静として来るうち、矢代はふと卓上の鍋の饂飩の底から、中に鋭く溌ね混った小鯛の骨を見つけた。すると、僧形に囲まれ沈んだ魚骨の白いその崩れが、しだいにそこからなごやかな命日の息を蘇らせて、不思議と
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