か、というのが今後の世界だ。間違いない。」
東野のそう云うのに、矢代は頷きながら、今日の東野は正確に一点から着実に話を拡げて来たものだと思った。そして、どういうことともなく、彼はいつもの日より槙三に会ってみたくなるのだった。
「東洋といえば、僕らは先ず中国のことを考えるが、これで外国人が東洋といっても、何も中国とは限らないでしょう。ギリシアだって、エジプトだって彼らから見れば、東洋に見えるらしいんだから、そこが僕らと大ぶ違いますね。」と、矢代は云った。
「そうだ。ギリシアも東洋風に外人には見えている。西洋文明の根本のギリシアがあんな風に見えてるんだと、僕らもこれで一寸考え直さなくちゃ、分らなくなることが多いよね。ゲーテの全作品が、全体を通じてどことなく東洋へ傾いていると、そんなにヴァレリイは云ってるよ。そしてね。それが面白いんだが、かくのごとく東洋を好きだということは、こんな西洋的なことがあろうか、と結んでいるところがあった。うまいね、なかなか。その筆法を用いると、僕らが西洋を好きだということは、これほど東洋的なことがあろうか、と、そう云わなくちゃならん。どうかね。しかし、君、これは
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