、彼の狂暴な熱情と力とは、前から、国境に立ち昇る夜の噴火の柱と等しい恐怖となって映っていたのであったから。しかし、君長《ひとこのかみ》の葬礼は宮人《みやびと》たちの手によって、小山の頂きで行われた。二人の宿禰《すくね》と九人の大夫《だいぶ》に代った十一の埴輪《はにわ》が、王の柩《ひつぎ》と一緒に埋められた。そうして、王妃と、王の三頭の乗馬と、三人の童男とは、殉死者として首から上を空間に擡《もた》げたままその山に埋められた。貞淑な王妃を除いた他の殉死者の悲痛な叫喚は、終日終夜、秋風のままに宮のうえを吹き流れた。そうして、次第に彼らの叫喚が弱まると一緒に、その下の耶馬台の宮では、着々として戦《たたかい》の準備が整《ととの》うていった。先ず兵士《つわもの》たちは周囲の森から野牛の群れを狩り集めることを命ぜられると、次に数千の投げ槍と楯《たて》と矢とを造るかたわら、弓材となる梓《あずさ》や檀《まゆみ》を弓矯《ゆみため》に懸《か》けねばならなかった。反絵は日々兵士たちの間を馳け廻っていた。しかし、彼の卑弥呼を得んとする慾望はますます彼を焦燥せしめ、それに従い彼の狂暴も日に日にその度を強めていった
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