心に強いられた酒のために、だんだんと酔いが廻った。彼は卑弥呼《ひみこ》の部屋の装飾を命じた五人の使部《しぶ》に、王命の違反者として体刑を宣告した。五人の使部は、武装した兵士《つわもの》たちの囲みの中で、王の口から体刑停止の命令の下るまで鞭打《むちう》たれた。彼らの背中の上で、竹の根鞭の鳴るのとともに、酒楽《さかほがい》の歌は草園の焚火の傍でますます乱雑に高まった。そうして、遠い国境の一つの峰から立ち昇っている噴火の柱は、霧の深むにつれて次第にその色を鈍い銅色に変えて来ると、違反者の背中は破れ始めて血が流れた。彼らは地にひれ伏して草を引《ひ》き※[#「てへん+劣」、第3水準1−84−77]《むし》りながら悲鳴を上げた。反耶は悶転《もんてん》する彼らを見ると、卑弥呼にその体刑を見せんがために彼女の部屋の方へ歩いていった。何《な》ぜなら、もし彼女が耶馬台の宮にいなかったなら、反耶にとってこの体刑は無用であったから。しかし、反耶が卑弥呼の部屋の遣戸《やりど》を押したとき、毛皮を身に纏《まと》って横わっている不弥《うみ》の女の傍に、一人の男が蹲《かが》んでいた。それは彼の弟の反絵であった。
「不
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