く》の使用法《しようほう》を間違《まちが》っているのだから、今日《きょう》から心《こころ》を入《い》れ変《か》えてQに慰安《いあん》を与《あた》えるよう、それでない限《かぎ》りお前《まえ》には永久《えいきゅう》に幸福《こうふく》はもうないのだ、幸福《こうふく》というものは知識《ちしき》の上《うえ》には絶対《ぜったい》にあったためしがなく、ただ自身《じしん》の頭《あたま》を下《さ》げて同化《どうか》することにあるばかりだというと、いった瞬間《しゅんかん》また私《わたし》はこれもますます私自身《わたしじしん》のためのみにいっているにすぎないことだと気《き》がついた。それで私《わたし》は結局《けっきょく》私《わたし》の注告《ちゅうこく》する言葉《ことば》は私《わたし》の心《こころ》の中《なか》から出《で》ていくにちがいないのだから、私《わたし》が私《わたし》のためにいっていると思《おも》わないで聞《き》いてくれ、私《わたし》のいうのは皆《みな》お前《まえ》のためにいっているので、私《わたし》のためだと思《おも》えば私《わたし》は死《し》んでもいわぬであろう位《くらい》のことは長《なが》い二人
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