おのおの》宜きを得 偕老《かいろう》他年白髪を期す 同心一夕紅糸を繋ぐ 大家終に団欒の日あり 名士豈遭遇の時無からん 人は周南詩句の裡《うち》に在り 夭桃満面好手姿
丶大《ちゆだい》
名士|頭《こうべ》を回《めぐら》せば即ち神仙 卓は飛ぶ関左跡|飄然《ひようぜん》 鞋花《あいか》笠雪三千里 雨に沐《もく》し風に梳《くしけず》る数十年 縦《たと》ひ妖魔をして障碍を成さしむるも 古仏因縁を証する無かるべけん 明珠八顆|都《すべ》て収拾す 想ふ汝が心光地に凭《より》て円《まろ》きを
里見義成《さとみよしなり》
依然形勝関東を控ふ 剣豪犬士の功に非ざる無し 百里の江山掌握に帰す 八州の草本威風に偃《ふ》す 驕将敗を取るは車戦に由る 赤壁名と成すは火攻の為めなり 強隣を圧服する果して何の術ぞ 工夫ただ英雄を攪《みだ》るに在り
『八犬伝』を読むの詩 補
姥雪与四郎《おばゆきよしろう》・音音《おとね》
乱山|何《いず》れの処か残燐を吊《ちよう》す 乞ふ死是れ生真なり※[#「匚<口」、第4水準2−3−67]《がた》し 薄命紅顔の双寡婦 奇縁白髪の両新人
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