姉妹
若山牧水
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)女郎花《をみなへし》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一寸|嬌態《しな》をして
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「片+總のつくり」、第3水準1−87−68]《まど》
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例))だん/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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山には別しても秋の來るのが早い。もう八月の暮がたからは、夏の名殘の露草に混つて薄だとか女郎花《をみなへし》だとかいふ草花が白々した露の中に匂ひそめた。大氣は澄んで、蒼い空を限つて立ち並んで居る峯々の頂上などまでどつしりと重みついて來たやうに見ゆる。漸々《だん/\》紅らみそめた木の實を搜《あさ》るいろ/\の鳥の聲は一朝ごとに冴えまさつた。
お盆だ/\と騷がれて、この山脈の所々に散在して居る小さな村々などではお正月と共に年に二度しかない賑かな日の盂蘭盆《うらぼん》も、つい昨日までゝす
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