樹木とその葉
貧乏首尾無し
若山牧水
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)流石《さすが》に
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]つて
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)どろ/\に
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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[#ここから3字下げ]
貧しとし時にはなげく時としてその貧しさを忘れてもをる
ゆく水のとまらぬこころ持つといへどをりをり濁る貧しさゆゑに
[#ここで字下げ終わり]
小生の貧困時代は首尾を持つてゐない。だからいつからいつまでとそれを定める由もない。そんな状態であるために殆んどまたそれに對する感覺といふものをも失つて居る觀がある。從つてオイソレとその記憶を持ち出して來ることが困難である。止むなくこれを細君にたづね相談して見た。
流石《さすが》に彼女にはあの時はあゝであつた、あそこでは斯うであつたといふ相當に生々しい感傷がある樣である。然しそれとても尋ねら
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