んまなら、こらえらいこっちゃ」
 部長の顔色もサッと青褪め、すこぶる緊張した。
 糸子の部屋には一人の警官を置いて、あとの三人は、急いで三階に駈け下りた。そして目ざす井上一夫の部屋第三三六室に近づいていった。
 いざとなれば、たとい留守にしても、蠅男のいた部屋を開けるというのは、たいへん覚悟の要ることだった。三人はめいめいに腋《わき》の下から脂汗を流して、錠前の外れた扉に向って身がまえた。帆村はソッと扉を押した。
 そして素早く手を中に入れて、電灯のスイッチ釦《ボタン》を押した。パッと室内灯がついた。
 三人は先を争って、部屋の中を見た。
「ウム、あるぞ、トランクが……」
 部屋のなかには、誰の姿も見えず、ただ大きなトランクだけがポツンと置き放されてあった。
「さあ、このトランクを開けてみましょう」
 帆村は主任の許しをえて、持ってきた彼の秘蔵にかかる錠前外しでもって、鍵なしでドンドン錠を外していった。
 錠前はすべて外《はず》れた。ものの二分と懸らぬうちに――
 大川主任は唖然《あぜん》として、帆村の手つきに見惚《みと》れていた。
「さあ、トランクを開きますよ」
 帆村はトランクの蓋
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