て、タンクの上半部がパクンと口を開いた。が、内部は同心管《どうしんかん》のようになっていて、鱶《ふか》の鰭《ひれ》のような大きな襞《ひだ》のついた其の同心管の内側が、白っぽく見えるだけで、中には何も入っていなかった。
「空虚《から》っぽだッ」
誰かが叫んだ。
鴨田研究員は第二のタンクの前へ、黙々として歩を移した。同じような操作がくりかえされたが、これも開かれた内部は、第一のタンクと同じく、空虚《から》だった。
失望したような、そして又安心したような溜息が、どこからともなく起った。
遂に第三のタンクの番だった。流石《さすが》の鴨田も、心なしか緊張に震える手をもって、スパナーを引いていった。
「ガチャリ!」
とうとう最後の唐櫃《からびつ》が開かれたのだった。
「呀《あ》ッ!」
「これも空虚っぽだッ!」
帆村は須永に目くばせをして彼一人、前に出た。彼の手には自動車の喇叭《らっぱ》の握りほどあるスポイトとビーカーとが握られていた。
彼は念入りに、白い襞《ひだ》のまわりを獵《あさ》って、何やら黄色い液体をスポイトで吸いとり、ビーカーへ移していた。
だがそれは大した量でなく、ほんの
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