霊魂第十号の秘密
海野十三
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)電波小屋《でんぱごや》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)三木の姉|名津子《なつこ》の声が、
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)5と70[#「70」は縦中横]の
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電波小屋《でんぱごや》「波動館《はどうかん》」
みなさんと同じように、一畑《いちはた》少年も熱心な電波アマチュアだった。
少年は、来年は高校の試験を受けなくてはならないんだが、その準備はそっちのけにして、受信機などの設計と組立と、そして受信とに熱中している。
彼は、庭のかたすみに、そのための小屋を持っている。その小屋の中に、彼の小工場があり、送受信所《そうじゅしんじょ》があり、図書室があった。もちろん電源も特別にこの小屋にはいっていた。この小屋を彼は「波動館《はどうかん》」と名づけていた。
このような設備のととのった無線小屋を、どの電波アマチュアも持つというわけにはいかないだろう。
一畑少年の場合は、お母さんにうんとねだってしまって、このりっぱな「波動館」を作りあ
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