の函を大事にして、いつも身のまわりから放さなかったわけも、これでわかった。
「おお工藤。ありがとう。おれは、きっと完成してみせるぞ。ああ、ありがとう」
 岡部伍長は、思わずお札《ふだ》の入った函を、頭の上におしいただいた。


   大団円


 あらたに設計された地下戦車第二号は、それから一ヶ月のちに、実物が出来上った。
 これから半年もかからなければ出来まいと思われたのに、僅《わず》か一ヶ月で出来上ったのには、或るわけがあった。
 そのわけというのは、外《ほか》でもない、国際情勢が急に悪化《あっか》したからである。かねて○○国境方面に、世界最大を誇る大機械化兵団を集中中であった○○軍は最近にいたりついにわが皇軍陣地《こうぐんじんち》に対して、露骨《ろこつ》なる挑戦をはじめるに至り、しかも○○鉄道は、その方面へ、ぞくぞくと大兵力を送っていることが判明した。そこでいよいよここに、○○国境を新戦場として、互《たがい》に誇《ほこ》りあう彼我《ひが》の精鋭機械化兵団が、大勝《たいしょう》か全滅《ぜんめつ》かの、乾坤《けんこん》一|擲《てき》の一大決戦を交えることになったのである。そこで、機械
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