話でした。
 では、この場合、あの機関車を後へ押しているのは、あの怪人だけではなく、あの怪人に纏《まと》いついている化物の仕業《しわざ》ではありますまいか。イヤそうに違いありません。やっぱりあの化物です。しかし化物がどうして怪人と力を合わせているのでしょうか。
「何が思ったとおりだ」と兄が尋《たず》ねました。
「やっぱりあの化物が機関車を前から押しかえしているのですよ」
「ほう、お前にそれが解るか」
 私はそのわけをこれこれですと、手短《てみじ》かに兄に話をしてきかせました。
 ジリジリと機関車は尚《なお》も怪人を押しかえしてゆきました。そして機関車はとうとう、隧道《トンネル》の入口にさしかかりました。それでも機関車はグングン押してゆきます。怪人の姿は全く見えなくなりました。隧道の中に隠れてしまったのです。
 そうこうしているうちに、突如《とつじょ》として耳を破るような轟然《ごうぜん》たる大音響《だいおんきょう》がしました。同時に隧道の入口からサッと大きな火の塊《かたまり》が抛《ほう》りだされたように感じました。
 グォーッ。ガラガラガラガラ。
 天地も崩れるような物音とはあのときのこ
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