線との両道を機関車は二列に並んで、二人の怪人に迫ってゆくのでした。いまにも二人の怪人は車輪の下にむごたらしく轢《ひ》き殺《ころ》されてしまいそうな様子に見えました。
「あッ」
 と私はあまりの惨虐《ざんぎゃく》な光景に目を閉じました。


   隧道合戦《トンネルかっせん》


 しかしながら恐《こわ》いもの見たさという譬《たと》えのとおり、私はこわごわそッと目を開《あ》いてみました。すると、ああ、なんという不思議なことでしょう。猛然《もうぜん》と突進《とっしん》していった筈《はず》の機関車が、急に速力も衰《おとろ》え、やがて反対にジリジリと後へ下ってくるのでありました。見ると、驚いたことに例の二人の怪人が、機関車の前に立って後へ押しかえしているのです。なんという恐ろしい力でしょう。それは到底《とうてい》人間業《にんげんわざ》とは思われません。機関車はあえぎつつ、ジリジリと下ってくる一方です。
 そのときピピーッと汽笛が鳴ると、こんどは機関車の方が優勢になったものか、逆に向うへジリジリと押しかえしてゆきます。怪人は機関車の前に噛《かじ》りついたまま押しかえされてゆきます。まるで怪人と機
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