トにいれて、肩をすくめた。
その時あわただしく扉をあけて、スミス中尉が入ってきた。
「おおリット少将。至急、御報告することがあります」
「スミス中尉か。何ごとだ」
「今しがた、飛行島の左舷近くに、昨夜海中にとびこんだところを射殺しました日本のスパイ士官らしい死体が浮かんでいるのを発見いたしまして、引揚げてあります。ごらんになりますか」
「なに、あの川上機関大尉の死体が発見されたというのか」
とリット少将は眼を輝かした。
「そのとおりでございます。それで、いかがいたしましょうか」
「死体が見つからなかったときには、川上の行方をもう一度厳重に探さなければならぬと思って、いまもそれを考えていたのじゃ。万事思う壺で、満足じゃ」
川上機関大尉の死体が発見されたとは、全く一大事であった。
英語を知らない杉田二等水兵は、別におどろきもせず寝ていたが、もしそれを知ることが出来ていたら、どんなに歎いたことであろう。
「おい、スミス中尉。その死体はたしかに川上機関大尉にちがいないかね」
何を考えたか、リット少将が突然思いがけない質問を放った。
「なんとおっしゃいます」
と中尉は自分の耳をうた
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