ット少将は、むっとした顔付にになって、
「ハバノフさんこそ何をいいますか。われ等は十分にそれをやっている。だから昨日も説明したではありませんか。いま建設中のこの飛行島などは、世界のどこにもない秘密の大航空母艦である。しかもそれを南シナ海に造っているというのは、何を目標にしているか、よくわかっているではありませんか」
「いやリット少将。貴官はこの飛行島がたいへん御自慢のようだが、今朝わが国の専門家から来た返事によると、どうも頗《すこぶ》るインチキものだということですよ」
「なにインチキだ。この飛行島がインチキだというのですか」
とリット少将は、怒の色をあらわして、椅子からすっくと立ちあがった。
そのとき可愛らしい中国服の少女が、紅茶器を銀の盆にのせて、部屋に入ってきた。
狼対熊
「おお梨花、そこへ置いておけばいいよ」
と、リット少将は額の汗をふきながら、やさしく中国服の少女にいった。梨花は福建省生れの美しい少女で、少将の大のお気に入りの女給仕だ。
「では、ここに――」
と、梨花は紅茶器の盆を卓子《テーブル》の上におくと、そのまま客間を出ていった。
「じ、実に怪しから
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