空気は裂けて、猛獣のように荒れ狂った。鼻をつく硝煙、真赤な火焔、ひっきりなしの爆音、それに呼応して天空高くとび上る大水柱! あたりは闇黒と化し、天地も瞬間にひっくりかえったかと思われた。なんという凄絶な光景であったろう。
× × ×
「長谷部少佐、今のを見たか」
「は、見ました。司令官。飛行島が爆破したのではありますまいか」
「うむ、そうかもしれない」
駆逐艦清風の艦橋で、双眼鏡を手にとって語る二人の将校があった。
駆逐艦清風は、いま浮かぶ飛行島へ、海上あと十キロのところまで近づいていた。その後に従うのは、いずれも帝国海軍が快速と攻撃力とを誇る最新一等駆逐艦十六隻だ。いや、それだけではない。そのすぐ後方には、水雷戦隊が暁闇の波浪をのりきって驀進しつつある。そのうちに、灰色の雲間を破って、わが海の荒鷲隊が勇姿を現すことであろう。主力艦隊も、堂々とこちらへ前進しつつあるのにちがいない。
艦艇のマストには、戦闘旗がひらひらとひるがえった。
飛行島大戦隊は、夜明とともに、わが艦隊に頭をおさえられた形だった。まだまだ海戦は起らないものと思っていたのに、不意に日本艦隊が
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