。貴下を征服している私は、飛行島をこっちへお渡しなさいと命令しても、何もおかしいことはありません。飛行島の進路は、このまま変えなくてもよろしい。しかし今後、すべての命令は私が出します。そこで、まずすぐ無電班長をよび出して、波長四十メートルの短波装置を起動するよう命じてください。その上で私は、本国の艦隊へ、飛行島占領の報告をするつもりです」
「ば、馬鹿な、誰がそんなことを――」
「命令にしたがわねば、私は閣下を斬り、私の使命を果すまでであります。覚悟をなさい」
すると提督は、なにを考えたか、急に眼をかがやかし、
「待て。命令に従う。では、無電班長を呼びだすから、あとは思うようにやりたまえ」
「うむ、よくいわれた」
提督は、二、三歩歩いて、卓子《テーブル》の方へ近づいた。
「提督。自由に動いてはいけません」
「いや、電話をかけて、班長を呼びだすのだ」
提督は、卓子にかがんで、受話器をとりあげた。
「おい、無電班長をよんでくれ」
そういって提督は、すぐ元のように受話器をかけた。
「カワカミ君。いまにベルが鳴って、無電班長が電話に出る」
「そうじゃありますまい。ほら、そこに見えるのは何
前へ
次へ
全258ページ中242ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング