ん》しつづけている。
 どうして川上機関大尉がここへ姿を現したか。彼は下甲板の格闘で、強力無双の敵下士官のため、すでに手籠にあおうとしたが、幸いにも伸ばした右手が、甲板に転がっている日本刀にかかったので、苦もなく強敵を斃すことができ、そのまま血刀をひっさげて、リット少将を襲ったのであった。
「うむ、お前は――」
 リット提督は、じわじわと後へ下ってゆく。
「提督、もうどうぞその辺で、お停りください」と、川上機関大尉はどっしりした声に、笑みをふくんでいった。
「うむ、――」
 提督は、もう唸るばかりだ。銀色の頭髪が、かすかに震えている。
「提督。今日までに、よそながらちょくちょくお目にかかりましたが、こうして正式に顔を合わしますのは、只今がはじめてであります。申しおくれましたが、私は大日本帝国海軍軍人、川上機関大尉であります」
「うむ、カワカミ! 貴様は、まだ生きていたのか」
「そうです。生きているカワカミです。こうして親しくお目にかかれることを、永い間待ち望んでいました。私としましては、この上ないよろこびであります」
「もうわかった。そんなことはどうでもよい。わしの室へ、物取のように闖
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