な箱や卓子《テーブル》などが別にせられ、そして甲板から海中へ投げ捨てられた。
 秘密砲塔を隠している仮装|掩蓋《えんがい》は、しばしば電気の力をかりて、取外されたり、また取付けられた。
 共楽街は、大勢の水兵の手により、片端からうち壊され、小屋といわず、道具といわず、映写機のような高価なものまで惜し気もなく海中へ叩きこまれた。
 こうして夕方ちかくには、飛行島の内外は、生まれかわったように軍艦らしくなった。
 海を圧する浮城、飛行島!
 丁度そのとき、この飛行島戦隊に編入せられた巡洋艦、駆逐艦、水雷艇、潜水艦、特務艦などが合わせて四十六隻舳艫をふくんで飛行島のまわりに投錨した。
 リット提督は、得意満面、大した御機嫌で司令塔上から麾下《きか》の艦艇をじっと見わたした。
「ほほう、わが飛行島戦隊の威容も、なかなか相当なものだ。これなら日本の本土強襲は、案外容易に成功するであろう」
 提督は、戦わないうちに、自分の戦隊の勝利をふかく信ずるようになった。
 やがて夜となった。
 一切の出航準備は成った。
 ただ一つ気がかりなことは、昨日にひきつづき風が依然として治らないことだった。
 午後八
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