もっと前に報告が届いているよ。いや、よろこぶなどとはもっての外じゃ。あれは同じ潜水艦でもローズ号だ。舵器をこわして列外に出たところを、味方の飛行機のために空爆されたといって、潜水艦隊は怒っているぞ。出直せ出直せ」
リット少将は、苦りきって受話器を置いた。するとまた呼出しの明りがついた。
「おお、リット少将だ。なに、警備艦隊司令官か。――うん、爆雷を五十六個放りこんで、どうしたと。――やった、日本の潜水艦をか? 話だけ聞くと、大手柄をたてたようだが、敵の潜水艦が沈んだのなら、海面いっぱいに下から油が浮いてくるのを見たろうな。――なに、それは見えなかった? なにしろ夜のことで、探照灯もあまり役に立たず。――もう、しゃべるのはよせ。子供が司令官になっているわけじゃあるまいし」
リット少将は憤慨の極、受話器を叩きつけた。
「うーん、今の若い者は、魂が腐っとる」
といって、傍をふりむくと、呼びもしない分隊長フランクが立っていた。
「あ、貴様は――」
「少将閣下。カワカミが生きている確かな証拠を申し上げにまいりました」
「なんじゃ、カワカミ? カワカミの亡霊にゃわしは用はないわい。生きている
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