べき君の勇敢さについて、少将閣下は勲章を本国へ請求なさることだろう。よくやった、フランク分隊長!」
 といって、かたい握手を求めた。
 フランクは、脱獄囚のために虐殺されるかと思ったのに、うまく命びろいして、夢心地といったところであった。
 が、しばらくして、はっとわれにかえり、
「あ、そうだ。怪フイリッピン人カラモはどうしたろう」
「怪フイリッピン人? なんだい」
「ほら、お忘れになりましたか。さっき少将閣下に申し出て斥けられたあれです。例の日本将校カワカミが化けているのじゃないかと思う怪しい奴です。ついさっきまで、その辺でエンジンを操作していましたが……」
 と、懐中電灯をエンジン運転台の方に向けた。
 だが、なんのことだ、そこには誰の姿もなかった。見えるのはパイロット・ランプや油圧計や廻転計などの器械ばかりであった。計器の針は、途方もないところへかたむいて、エンジンはいまにも壊れそうな怪しい響をたてていた。
「おや、いないぞ」
 と、首をかしげたフランクは、つづいて受持の第四エンジンの乱調に気づき、さっと顔色をかえ、
「たいへん、エンジンが爆発する!」
 と、運転台へとびあがると
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