、フランク分隊長のてんてこ舞、海底牢獄の一部の破壊であった。
 だが飛行島は、あまりにも大きい。はたして豪胆勇士川上の偉業はとげられるであろうか。


   試運転最後の頁


 暗黒中でピストルの撃合が行われているのを見て、駈けつけた副官もスミス中尉も、事の容易でないことをさとった。
 ひきつれていった部下に命じて、エンジン室内をぱっと照らさせてみると、脱獄囚相手に、ピストルの乱射をやっているフランク大尉の姿が見えた。
 戦闘員は、ピストルをかざして、わーっと室内へおどりこんだ。
 はげしい銃声。
 響き鳴る金属音。
 地獄の中のような乱闘と悲鳴。
 いかに印度志士が慓悍であるとはいえ、十分武器をもったこうも大ぜいの兵員にとりかこまれては、どうにもならない。彼等は、無念の唇をかみつつ、いくつかの貴い同胞の死体をそこにのこしたまま、奥ふかく逃げこんでしまった。
 副官は、フランク大尉の傍にすすみより、
「少将閣下は、試運転の最中に君がピストルを乱射しているというので、その不謹慎さをお怒りになっていたが、この場の有様を見ては、君のやったことは無理ではない。いやそれよりも英国士官の模範とす
前へ 次へ
全258ページ中198ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング