のもとに撃ちおとしてくれようと、ごうごうと飛びつづけている。
 飛行島は、だんだんにスピードを上げていって、いまや時速二十ノット!
 夜間のこととて、わずかにもれる光に、舷側の白い波浪や艦尾に沸くおびただしい水沫、それから艦内をゆるがす振動音などが乗組員たちの耳目をうばっているにすぎないが、昼間だったら、まさに言語に絶する壮観であったに違いない。
 飛行島を動かしている機関部の諸エンジンは、すこぶる好調であった。これでゆけば、最大スピードの三十五ノットを出すことも、さほど難しくはなかろうと思われた。
 ここはその飛行島の機関部――
 重油の弁《バルブ》を巧みに開いて、飛行島のスピードを今二十ノットに上げたばかりの機関部員は、面長の東洋人であった。
(二十ノット、出ました)
 と、伝声管のなかにおとした音声も、どっしりとおちついている。まことに頼もしい機関部員だ。
 それを傍から見下している機関大尉フランクの顔は、これはまた反対に、非常に険しい。彼の右手は、ピストルのサックを探っているではないか。
 東洋人にはフランクのこうした様子が見えないのか、彼は顔色一つかえないで、じっとメートルの
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