《ふういん》を耳にするであろう。
ハンドルが間に合わぬことを心配する人があるかも知れないが、こいつは心配いらぬ。何故なら牛馬は用達《ようたし》を催すときには先ず急に止るから、そのとき直ぐハンドルを引張れば、十分間に合う。
――という誠に結構な仕掛けである。かくして牛馬君は、終日おのれの産物を引いて廻ることになる。
さてこの折角の発明も、牛馬車がトラックに追われてしまった今日では、僅かに原稿のネタになるしか、その効果がなくなった。
底本:「海野十三全集 別巻2 日記・書簡・雑纂」三一書房
1993(平成5)年1月31日第1版第1刷発行
初出:「モダン日本」モダン日本社
1934(昭和9)年1月号〜6月号
※初出時の署名は、「佐野昌一」です。
入力:田中哲郎
校正:土屋隆
2005年1月16日作成
青空文庫作成ファイル:
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