(1)ニテ挟持シテ成ル「パチンコ」ノ構造。
こんなわけで、パチンコとて中々|厳《おごそ》かなものでゲス。
芋焼器の発明
昭和五年実用新案広告第八八三四号(類別、第九十六類九、飲食物製造機雑)――出願人、山形市×澄町吹張、伊×長兵衛氏。
この芋焼器の「作用と効果」というのが、実に名文で、一読《いちどく》、やき芋屋へ走りたくなるという御婦人方には極めて蠱惑的《こわくてき》なものである。乃《すなわ》ち――
作用ト効果
本考案品ハ右ノ如キ構造ニシテ加熱板上ノ金網面ニ、生芋ヲ置キテ、先ズ半蒸焼《はんむしやき》トナシ、後コレヲ取出シテ、適宜ニ切断シテ、塩ヲ散布シ、多孔板上《たこうばんじょう》ニ載置シテ完全ニ蒸焼ス。而《しか》シテ金網面ニハ更ニ生芋ヲ入替《いれか》ウルモノトス。斯《か》クシテ完全ニ蒸焼サレタル芋ハ、蓋ヲ取去リテ取出シ、蓋ニ具ウル保温室内ニ常ニ保温セシメ置クモノナリ。
以上ノ如クナルヲ以テ、芋ヲ焦焼スルコトナク(僕はいささか焦げた方が好きです)、蒸焼シ得ルノミナラズ蒸焼ヲ二回ニ順次行ウヲ以テ塩ノ浸滲《しんさん》ハ良好ニ行ワレ(とてもタマランです)、更ニ蓋ニ保温室ヲ設クル
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