の房枝であった。
この二人は、例の脅迫状の差出人たる謎の人物バラオバラコによび出されて、やってきたのであるが、一、二分はおくれたが、ともかくも、今東京駅についたのであった。
二人は、口の中で、ネオン・ビルと、しきりにくりかえしていた。ネオン・ビルは、バラオバラコからいって来た会見の場所であった。もしそこへ来なかったら、せっかく大人気をとっている新興ミマツ曲馬団の小屋を爆破するというのだった。そんなことがあれば、小屋がこわれるばかりではなく、おおぜいの観客が怪我をするであろうし、かけがえのないすぐれた芸をもっている団員もまたたおれてしまうであろう。そんなことになってはたいへんである。これから怪人物バラオバラコに会って、ぜひとも、そんなことをしないように、たのむほかない。
二人は、駅前からビル街の間に、はいっていった。
夜のビル街! なんというさびしい街であろうか。
昼間であると、このあたりは、まるで行列《ぎょうれつ》が通っているのかと思うくらい、にぎやかな、そしていそがしそうな人通りがあった。八階も九階もある、大きな城のようなビルが、一つや二つではなく、どこからどこまで、幾十幾
前へ
次へ
全217ページ中132ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング