いだよ」
「えっ電気鳩? 電気鳩ってなあに?」
そこで高一はミドリに、さっきの青い鳩にさわろうとすると、ゆびがぴりぴりしびれたことを話してきかせました。それで電気鳩、電気鳩と名をつけたんですが、ほんとうに電気鳩が、うちの鳩をころしたのでしょうか。まったく、きずひとつないのに鳩は死んでいるのです。
「ようし、一つ工夫をして、あの鳩をつかまえてやろう」
そのつぎの日の夕方、高一とミドリとが見はっていると、はたして、その電気鳩が空からおりてきました。お家の九羽の鳩は大さわぎして、屋根の方ににげてしまいました。しかし鳩舎の上には、まだ一羽の鳩がじっととまっていました。
電気鳩はひらりと飛びおりて、そのじっとしている鳩の方へ足をひきながらちかづきました。
すると、どうでしょう。かちっと音がして、電気鳩は高一のしかけたわなに、足をはさまれてしまいました。しかし、電気鳩はたいへんな力をだして、そのまま空へまいあがりました。足にながい赤い紙テープを目じるしにして、電気鳩をおいかけてゆきましたが、ざんねんにも見うしなってしまいました。
それにひるまず、つぎの日、高一はまたべつの工夫をして、まち
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