電気看板の神経
海野十三

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)冒頭《ぼうとう》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一応|断《ことわ》っておくがね、

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)京ぼん[#「ぼん」に傍点]に頼んで、
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 冒頭《ぼうとう》に一応|断《ことわ》っておくがね、この話では、登場人物が次から次へとジャンジャン死ぬることになっている――というよりも「殺戮《さつりく》される」ことになっているといった方がいいかも知れない。そういう点に於《おい》て「グリーン家《け》の惨劇《さんげき》」以来、血に乾いている探偵小説の読者には、きっと受けることだろうと思うんだ。しかし小説ならば兎《と》に角《かく》、いやしくも実話であるこの物語に於て――たとえそれが秘話《ひわ》の一つとして大事にしまって置かれてあるものにせよ――あまりにも、次から次へと死ぬ奴がでてくるもんで、馬鹿馬鹿しいモダンチャンバラ劇をみているような気がしないのでもないのだ。だが、そんな気で、この秘話を聞き、今日の世相を甘く見ていると、飛んでもない間違《ま
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