軍団を六|箇《こ》、海上には、一千三百隻の艦艇を、更に水中には、キンギン国とっておきの快速潜水艦隊を配置し、一挙にアカグマ国をぶっ壊す作戦であった。文字どおり、空中、海上、海底の三方よりの立体戦であった。
「全軍、出動用意!」
 アルゴン大将は、官邸のマイクを通じ、すべての根拠地に対して、号令した。
 やがて、用意よしの返事が大将のところへきた。そこで大将は、
「全軍、進め!」
 と、出発を命じた。それこそ、キンギン国建国以来の歴史的な瞬間だった。なぜなれば、そのようなキンギン国の戦闘部隊の豪華さは、このときを境として、再び見られなかったからである。
 全軍は、直線的に、真西へ向けて、進発した。それは丁度《ちょうど》洋上に夕闇が下りたばかりの頃だった。太青洋踏破は、正二日半で完了する予定だった。
 アルゴン大将の、特に信頼をおいていたのは、二百隻から成る快速潜水艦隊であった。大将は、艦隊最高司令官スイギン提督から刻々報告をこっちへ送らせていた。
「只今、二十時。わが潜水艦隊は、○○地区を潜航中。全艦隊、異常なし」
 そういう報告が入ると、アルゴン大尉は、ふうッと、鯨のような息をついて、
前へ 次へ
全75ページ中48ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング