そう申します」
「第四参謀は、下ってよろしい」
長官ラヂウム元帥が、そういうと、がたんという音がして階段に生えていた首の一つが、その場に前に倒れた。見るとその首は、本物の首ではなく、作り首だった。それは首からうえの作り物であった。そして、一種の電話機であったのだ。
つまり首のその本人は、元帥の前にいないのである。遠くにいるのだった。ただ、彼を代表する電話機だけが、首の形をして、ラヂウム元帥の前に並んでいたのだ。昔は、会議をするときには、方々から参謀が参集したものである。今は、勝手な場所にいて、ただ、自分が背負っている携帯無電機のスイッチを入れると、今元帥の前の作り首が、むっくり起き上る。これが(はい、電話で、お話を聞いていますよ)という信号なのである。
ラヂウム元帥は、そういう作り首に向って、会議を宣言したのだ。
「……只今、イネ州駐在のゴールド大使より、非常警報が届いた。アカグマ国の軍隊は、続々集結している。また予備兵たちへは、動員令が発せられたそうである。彼等は、はりきって、すでに発砲している。第一岬附近は、戦場のようだ。国軍はしきりに東方へ向って、移動を開始し、イネ州の東海
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