れ十四五人の頭数になった。いずれも、その全身が蛍《ほたる》のような光を放っていて、気味がわるくてならない。
一等はじめに出てきた怪人が、どうやら、この一隊の怪物の隊長らしく、しきりに青く光る腕をうごかして、なにやら命令をつたえているらしい。が、なにを命令しているものやら、さっぱり分らない。その隊長らしい怪人だけは、胸のところの三本の光の縞《しま》が、ネオン灯のように、赤く光っていた。
カモシカ中尉は、塹壕の斜面に、伏せをしたまま化石のようになっていたが、やっと気をとりなおし、やはり傍に伏せをしているモグラ一等下士を、防毒衣のうえから叩いて、(おい、こっちへ寄ってこい)
と、合図をした。
モグラ下士は、その合図を諒解《りょうかい》して、相手の怪人たちに知られないように、おそるおそる、中尉の方へ匐《は》っていった。
「なに、御用ですか、中尉どの」
と、防毒面に装置されているマイクによって低い声でいった。
「おう、モグラ下士。もっと低い声で喋《しゃべ》れ。相手は、おれたちを死骸だと思っているんだぞ。生きていると知られりゃ、ことだ。なるべく小さい声でしろ」
カモシカ中尉は、極度に、
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