だと思います」
「あたくしは、臍の上に植えるのは、反対でございますわ。お嬢さんがたに植えた場合を、ちょっとご想像なさいませ、あまり美的ではございませんわ」
「もちろん、美的ではありませんが、一つは見慣れないせいですよ。見慣れると、それほどおかしくないと思いますが……」
「感心しませんねえ。それよりも、あたしくは、背中に取り付けてはいかがと思いますの。いったい人間は、背中の方に目がございませんためか、背中の方をいっこう使えませんが、それはどうも無駄をしているように思います。そこで、背中に第三の腕を取り付けまして、背面を活用いたします。そして、その第三の腕のつけ根は、他の二本の腕と同じ水平的高さに選ぶのが、力学的になっていいと思いますわ。荷物を持つのには、たいへん便利でいいと思いますのよ」
「それよりも、第三案として、両脚のつけ根のところは、どうでしょうか。ちょっと三本脚になったように見えますが、カンガルーや、尾長猿などは、太い尻尾をたいへん巧みにつかえますねえ、あのように活用するといいと思いますよ。両手に荷物をもって、夜道などするときは第三の腕で、懐中電灯をもちます」
「まあ、このへんの
前へ
次へ
全27ページ中11ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング