やめにするがいい。わかったか」
と、彼は、いやにいばっていいました。
すると青木学士は、からからと笑いだしました。
「あははは。なにをいうか。われわれ日本人のやることに、君たち外国人のさしずはうけないぞ。からいばりはやめて、なにかそっちで、おしえをうけたいことがあるなら、ぼくらの前にどうぞおしえてくださいと、すなおに頭を下げたがいい」
青木が、きっぱりいい放ったことばに、隊長紳士は顔をいっそう赤くそめて、ぶるぶるふるえ出しました。きあ、この場のおさまりは、どうなることでしょうか。
とりかえっこ
その怪外人は、じつにいばっています。二人にむかって、
「なにをいっても、もうだめだ。ここへはいったが最後、お前たちを生かすのも殺すのも、わしの自由だ。なんでもはいはいといわないと、ためにならないぞ」
といって、彼はピストルをふりまわします。
青木学士は、考えました。
自分ひとりだけならいいが、水上少年と一しょですから、あまりひどいことをされてはこまると思いました。またその外人も、いいだしたら、あとへひきそうもない様子ですから、ここはしばらく相手のいうとおりになって、あ
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