とですきをみて、なんとか、にげだす方法を考えることにしようと決心しました。
そこで青木学士は、二三歩、怪外人の前へあるいていって、
「おい君。君がそんなにいうのは、あの豆潜水艇の中をしらべてみたが、どうしたら動いたり、浮いたり、沈んだりするのか、それがわからないので、僕たちをせめるのだろう。どうだ、あたったろう」
白服の怪外人は、それをきくと、うーんとうなって、また一そう顔をあかくし、下士官たちの方をふりむきました。
そこで、青木学士は、ここぞと思い、
「だから、わからないなら、わからないとはっきりいって、僕たちにおしえを乞《こ》えばいいじゃないか。礼をつくせば、僕だって、おしえてやらぬこともない。自分のよわ味をかくそうとして、いばりちらすなんて、よくないことだ」
こういわれて、さすがの怪外人も、こまった様子です。それからというものは、急に彼は態度をかえて、ことばをやわらげました。
「いや、わしも、べつだん、事をあららげたくはないのだ。君が、かくさずおしえてくれるというのなら、尊敬をもって、説明をきいてもいいと思っている」
なにが尊敬でしょう。自分たちに都合がいいとなると、ど
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