えっ、すると、ここはリント少将のいられる基地だったんですね」
「ふん、そんなことが、今になって分ったか」
パイ軍曹は、叱られている。
リント少将は、沖島速夫の前へ歩みより、
「黄いろい幽霊君。パイ軍曹のいうことに間違いはないか」
と、しずかなことばで、たずねた。しかし少将の眼は、鷹《たか》の眼のように、光っていた。
「閣下。すこし話がちがうようです。正直者のピート一等兵に、おたずね下さい」
と、沖島は、ピートを指《ゆびさ》した。
「それでは、ピート一等兵。どうじゃ」
ピート一等兵は、さっきパイ軍曹が喋《しゃべ》っているときから、しきりに拳《こぶし》をかためたり口をもぐもぐさせて、いらだっていたが、
「はい、リント大将閣下」
と、リント少将を大将にしてしまい、
「正直なところを申上げますと、すみませんが、パイ軍曹どののいうことは、すべて嘘《うそ》っ八《ぱち》でありまして、ソノ……」
「嘘か。それで、どうした」
「ソノ、つまりこの地底戦車が、遭難船の船底をぬけおちまして、海底ふかく沈没しましたときから、自分は敢然、先頭に立って、この戦車を操縦しつづけたのであります。ぜひともこの
前へ
次へ
全117ページ中84ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング